推しがいるのはナイショです!
「デート? やるなあ、久遠」
「ばっ、ちがっ」
「照れることないよ。いいことじゃないか。こんにちは、お嬢さん」
 言いながらコーヒーを飲んでない男の方がサングラスを外した。その顔をみて、私はぽかんと口をあける。

 緑の髪でも瞳でもないけれど。
 すごく、あの人に、似ている。

「……タカヤ……?」
「ええ。久遠がいつもお世話になっております。僕は……」
「ばか直人。こいつは知らないよ」
 笑顔のままちょっと固まってから、その人は久遠を見る。

「え?」
「俺はなんも言ってないよ、こいつに」
 あちゃー、とコーヒーを飲んでいた男がわざとらしく頭を抱えた。

「何お前、彼女にも自分の事内緒なの?」
 文句を言いながらこちらもサングラスをはずす。
「えっ? イチヤ?!」
「はーい! イチヤだよー!」
 あっけらかんと言った彼は、舞台の上そのものの笑顔。

 二人とも、ラグバのメンバーだ。
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