推しがいるのはナイショです!
「なななんで?! 本物?! タカヤとイチヤ?!」
 思わず言ってしまってあわててあたりを確認する。さいわい人も少ないし、はじっこの方にいたおかげで誰も気がついてはいないようだ。

「え、ホントに知らなかったの? ごめん久遠、ばらしちゃった」
「だから僕はやめようって言ったんだよ」
「え、だって久遠が女とデートしてるんだよ? こんな面白い場面、見過ごすことなんてできないっしょ」
 うきうきと言ったイチヤに、タカヤは苦笑する。 

「驚かせてすみません、お嬢さん。僕たちは、てっきりあなたが僕たちの事を知っているものと思い込んで話しかけてしまいました」
「は、はあ……」
「俺たちの名前がわかるってことは、RAG-BAG知ってるよね。俺はイチヤこと、菊池康でーす」
「僕は、吉井直人。いつも久遠がお世話になっております」
 深々と頭を下げられて、私も姿勢を正すと同じように挨拶をする。

「こ、こちらこそ、お世話に……」
 別に世話してないしされてもいないけど、他になんて言ったらいいんだ。
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