推しがいるのはナイショです!
 細いくせに久遠はがっつりとよく食べる。カフェの食事では足りないのだろう。
「時間、いいの?」
「まだいい」
 あ、そうだ、MV返さなきゃ。

 そう思い出して、バッグに入れた手を止めた。
 このMV、もうちょっと貸して、って言ったら、もう一度会う機会が作れるかな。
 でも、今そんなこと言ったら、ラグバのメンバーだから、とか思われそう。

 それは嫌。そんなんじゃなくて、私は、久遠に、会いたい。
 どう言ったら伝わる?

 躊躇していると、スマホが点滅しているのに気付いた。なんとなく開けてみると、メールの着信。
 ……え?!

「ほわあああああっ!」
 スマホを握りしめて、思わず声が出た。
「な、なんだよ?」

 急に声をあげた私に、ぎょっとしたように久遠が聞いた。私は、久遠に自分のスマホをつきつける。
「見て見て見て! ラグバのチケット! ご用意されました!!」
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