推しがいるのはナイショです!
 アップになる一人一人の笑顔。射抜くような視線の強さ。叩きつけるように包み込むように響く声。ステージを狭しと踊る5つの影。

 目が、離せない。

 気が付くと、涙が頬を伝っていた。
 そうだよ。この姿が見たかった。この声が聞きたくて、毎日仕事頑張ってきた。つらい時も、ラグバがいてくれるからがんばれた。
 見ていると、幸せで涙が出るくらい、私、ラグバが好きなんだよ。

 ひとしきり涙を流した後、私は顔をあげた。
 私だって、がんばるよ。あの5人に負けないくらいに。今を無駄な時間にしたくない。
 私は、また資料作りを再開した。


 資料ができあがるのと、コンサートが終わるのはほぼ同時だった。
「タカヤ、かっこよかったなー」
 あえて口に出して言う。だって、そうでないと、どうしても目に入った久遠のことが気になって。
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