転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~

僕はバルコニーに出て夏の夜空をぼんやりと見ていた。

「あ、なんかいい曲が書けそうかも…」

ふと浮かんだメロディーにクスリと笑う。

「こんな時なのに…」

目を瞑りため息をつく。

長年クレアと会っていなかったにも関わらず、あの余裕な大人の態度。
それだけクレアと絆が深いと言われているようだった。

「ルカ、ここにいたの?」

目を開いてバルコニーに来たクレアの方を向く。

「クレア」

「今日も星が綺麗ね」

ふたりで並んで満天の星空を見上げた。

「そうだね…」

「さっき、レオと何を話していたの?」

気になるんだ。

「……個展に来てほしいって」

「…そう。個展楽しみだわ!レオの絵を見るのは久しぶりだし」

「いつからアスター先生と知り合いなの?」

「そうね、私が4、5歳くらいの頃からかしら?以前住んでいた屋敷の近くに、私とお姉様のお気に入りの丘があってね」

「うん」

「そこで絵を描いていたレオに会ったの。とても素敵な絵で私はこの人と仲良くなりたい!って思ってね。『お友達になって』ってお願いしたの。フフッ」

「そうなんだ」

懐かしそうに思い出を話してくれるクレア。

「最初は絵を描くのに邪魔だって嫌そうにしてたんだけど、毎日会いに行ったの」

「うん」

「そのうち話をしても嫌がられなくなって、ある日私に絵をプレゼントしてくれたの。とても嬉しくて、お父様に絵を見せたら『この絵を描いた人に会いたい』って言われて、その時から家族ぐるみで付き合いが続いているわ」

「……そう」

そんなに前から。




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