転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

３

学力試験も終わり、明日から夏期休暇に入る。
僕の試験勉強はあまり進まなかったが、日々の勉強の成果もあり結果は上々だった。
ルイよりはかなり下の順位になってしまったけど。
放課後、僕を呼んでいる人がいると聞いて返事をする。

「クレア、皆と先に帰ってね。気をつけて」

「分かったわ…」

クレアとはあれから気まずくて、少しギクシャクしている。
僕は教室の入口を出て、僕を呼んでいるご令嬢のところへと向かった。

「あのご令嬢、顔が赤くなってるね。告白かな？やっぱりルカ様モテるねぇ。ルイ様と違ってまだ特定の女性を宣言してないし。まぁ、見てれば誰かは分かるけどさ。あれ？あのご令嬢、執事喫茶のイベントに来ていたよね？」

「そうだった？」

「え？まさかルイ様が覚えていないの？ほら、あの……あ、ごめん」

ルイにジロリと視線を向けられて、やっと気づいたヘンリー様は口を押さえた。

「ルイ……帰ろう」

ふたりの席のすぐ近くまでクレアが来ていた。