転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ~一途な恋の音色~
クスフォード家にリエッタ様と一緒にご挨拶に来てくださった時に、この汽車の話も聞いていた。
リエッタ様のマクラナ伯爵家と玲お兄ちゃんのストライブ侯爵家が共同で何年も掛けて計画を進めている事業だそうだ。
そこで僕達のクスフォード侯爵家も領地内の線路の開拓に関する土地のことや観光事業等に協力することになった。

この大きな事業には国からの支援もあるが、人手も資金面でも協力者は必要だ。
リエッタ様と玲お兄ちゃんが前世の知識を使ってこの国で大きな仕事をしている。
それならば、僕達も力になりたいと声を上げた。

まだ先の長い計画の途中だけど、近隣の距離を往復することが可能となり、この国初の交通機関が完成した。
長距離の移動や大きな貨物の輸送時間の大幅な短縮がされる革命的な事業だ。
先日行われた鉄道の開通式は盛大なものだった!

今は穏やかな雰囲気のマクラナ伯爵だが、仕事中では鋭い瞳で意見をし、指示を出している。
流石、やり手のマクラナ伯爵だ。
広い人脈を持つこの人でないとこんなに早く実現しなかっただろうとのことだ。

「切符の手配までしてくだり、ありがとうございました」

この新しく完成した汽車の切符はマクラナ伯爵からいただいた。
今話題の汽車は人気があり、なかなか切符が取れない。

「私の命の恩人であり、大切な孫のローラの恩人でもあるルカ様には当然のことでございます。それに、クスフォード侯爵家のご協力により、開通が早くなった地域もございますので」

「いえ、そんな。こちらがお礼を言わせていただきたいくらいです」

そんなに言われると恐縮してしまう。
だってこの汽車によって隣国に行くまでの日数が縮小されて、たったの3日になったのだから!

すると、マクラナ伯爵の執事が伯爵に声を掛けた。

「呼ばれておりますので、ここで失礼いたします。では良い旅を」

「ありがとうございます」

僕達はマクラナ伯爵にお礼をした。




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