転生した双子アイドルは伯爵令嬢に恋をする ～一途な恋の音色～

またチョコレートを選び始めると、薔薇の形をしたチョコレートが目に止まる。
クレアが喜びそうなこのチョコレートに決めた！

ルイも決まったようだ。
あとは、お父様とお母様、アリストロ伯爵夫妻、両家の屋敷の人達へ贈るチョコレートをふたりで選んでチョコレートショップ『ショコラ リリー』を出た。

双子達が帰ったあと、あのふたりが買ったチョコレートが欲しいと飛ぶように売れた。

購入したチョコレートを手にお店を出てきたご令嬢達はまだ興奮冷めやらぬ状態で話をしていた。

『やはりルイ様とルカ様は麗しいですわ…』
『本当に…』
『あのようなお綺麗なお顔もそっくりで……違っているのはホクロの位置だけですわね』

赤くなった頬に手を添えているご令嬢方。

「そっくりなルイとルカ……？ ホクロ…？」

『ショコラ リリー』の前を通り過ぎようとしていたご令嬢は、聞こえた話に足を止めて呟いていた。



そして、チョコレートをプレゼントする日。

「クレア、ありがとう。とても嬉しいよ」

頬を赤く染めたクレアから可愛らしくラッピングされたチョコレートを受け取る。
本当にバレンタインみたいだ…。

それに、今日のクレアいつも以上にお洒落じゃない？
青いドレスに花柄の白いレースが重なっていて、胸元には青いリボン。
クレアの好きな色だね。とても似合ってる！

僕も今日はバレンタインのつもりでお洒落にした。
僕の気持ちを込めてチョコレートを渡す。

「僕からはこれを。君に幸せが訪れますように…」

薔薇の形のチョコレートと、クレアがお気に入りの八重咲きの薔薇の花束を渡した。

「ありがとう、ルカ…私も嬉しい」

クレアからのチョコレートは音符の形をしていて、ふたりでチョコレートを食べてまた距離が少し近づいた気がした。
ルイもシェイラからチョコレートを貰ったと嬉しそうにしていた。

ルイとルカはまだ知らないが、チョコレートを好きな人に渡すと想いが届くという噂もあるらしい。