愛人家
「愛子、何をしてるんだ⁉︎」
「疲れたから眠るんだけど?」
「床だけで寝たら身体を痛めるよ、お客用の布団を持ってくるから待ってて」

 パパはそう言って一旦部屋を出ると、すぐに布団一式を持って戻ってきた。掛け布団と枕が宙に浮いた状態だから、本体も使って運んでいるのだろう。
 さっと布団を敷いてくれたので、わたしは布団の中に潜り込んだ。

「ありがとう。てっきりペットだから何もないのだと思った」
「え、違うよ! 愛子の好みがあると思ったから、何もないだけだよ。自分の趣味じゃない物を用意されても嫌だろう」

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