愛人家
 ペットだから用意してなかったのではなく、ペットの好みに合わせたくて用意してなかったんだ。
 ……両親はわたしのことはどうでも良かったから。

「明日は愛子の好きな物を買いに行こう。そしてこの部屋を愛子好みの部屋にするんだ」
「わたし、好みに?」
「うん。楽しみだなー、愛子がこの部屋をどんな風に飾ってくれるのか」
「……わたしを孤児院に返さないの?」
「え、なんで?」
「だってわたしの体、傷だらけだから……」
「それは愛子が生きようと耐えた傷でしょう? 愛子が望むなら、僕の星の治療薬で綺麗にすることが出来るよ」

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