完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
 千紗の家は、井村のマンションから徒歩なら30分。車なら15分。
 速度違反をして、電信柱にぶつかりそうなほど慌てていた。
 ──駄目だ、落ち着け。でも早く行かないと。

 深呼吸する。こうしてる間にも千紗が襲われているかもしれない。

 なんとか千紗の家まで着いた。灯りはついているが、一階の窓が開いているのが見えた。
 まさか、もう……?

 壁を乗り越え、自分も千紗の家の窓に手をかける。
 ぐったりとした千紗の上に男がのしかかっていた。心臓が止まりそうになる。

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