完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される

「なんで? 俺が絶倫だから? それなら時間も回数も減らすから」
「いや、そういう問題ではなく……」
「ごめん。今までこんなことなかったんだけど」
「人の家にいつまでもいるわけにはいかないですし、ちょっと色々気になることが」

 井村の猛烈な求愛で忘れかけていたが、気になっていることがあった。
 千紗が襲われた時、カメラは回っていた。まだ怖くて見ていないが、顔が見えたりしていないだろうか。
 一番恐ろしいのは母にバレることだった。真面目で堅物の母に知られたとしたら、もうバイトも動画配信もやめて高跳びするしかない。
 ──どこの国がいいんだろう? 日本みたいに同調圧力が強くなくて、のびのび暮らせる国がいい……。イメージ的には、タイとか? 
 私にもできる仕事はあるだろうか。虚無僧とか? 尺八なら練習すれば吹けるかも。
 いやでも借金があるんだった。どうしよう……。
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