完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
「にしても、井村さんが高倉さんと付き合えたなんて驚きです」
「驚き?」
「部長が高倉さんを好きなのは一目瞭然だったけど、高倉さん難攻不落というか、サボテンのような人だったから」
「はは。まぁ、そうなんだけどいい子なんだよ……不器用なだけで。サボテンの棘も身を守るためのものだから、攻撃するためのものじゃない」
「いいこと言いますね! ちょっと変な噂も立ってるけど、井村さんがバシっと言ったんで収まるといいですね」
「あぁ」
とりあえず騒ぎが収まるまでしばらくうちで匿おう。自宅はモザイク入りだがネットに掲載されてしまったようだし、他に危険がないとも限らない。
それにストーカーだって、すぐに釈放されてしまう可能性もある。
「部長が企画してたプロジェクトですけど、休んでる間にいくつかのクライアントから問い合わせありましたよ。短期的に儲かるかっていえばそうじゃないけど、長期的に見て企業のイメージアップに繋がるんじゃないかって興味ある感じでした」
「お、それはよかった。もともとダメ元みたいな企画だったからな」
「はい」