完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
──もとから人気だったからな。自分だけが味方だなんてとんだ思い上がりだったな。
井村としては、あのまま一緒に暮らしていたかった。
が、井村に迷惑をかけることを恐れた千紗は再び北海道へ戻ってしまった。
母親が心配なのもあるとわかっていたから、強く引き留めることはできなかった。
物分かりのいい振りをして追い出したが、毎晩寂しくて死にそうだった。
短いが同棲のようなことをしてしまったのもあり、一度得た温もりを手放した喪失感は底なしだった。
ビデオ通話だけでは満たせない心と体。毎晩抱きしめて寝ていた日々を思うと辛い。
──俺ってこんな情けない男だったのか……。
今までこういった激しい感情に振り回されたことがないだけに、どうしていいかわからなかった。
──このまま遠距離恋愛でいいのか? いいや、いいわけない。すぐにでも迎えに行きたい。
そう、迎えに行かねばならない。だがいささかの迷いがあるのも確かだった。