完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される

「なんていうか、俺、今まで人生イージーモードで本気で努力したことなんてなかったから。普通にしてればそこそこなんでもできるし、周りの人間ともうまくやってこれた。だからこそ傲慢になっていた部分があるなって」
「ちょっと腹立つけどそうかもですね」
「千紗ちゃんが苦労して頑張って、才能磨いてるのを見て、このままじゃだめだなって。高倉千紗にふさわしい男になれない」
「いや……それは違うと思いますけど」

 むしろ千紗のほうが釣り合わない。相変わらず人と話すのも表に立つのも苦手で、羊や犬といるほうが気楽だった。
 生きづらさを抱えている千紗と違って、どこへ行ってもうまくやれる。必要とされる。そんな井村が羨ましくて、だからこそ最初は苦手だった。

「俺は人と一緒になにかを成し遂げるほうが向いてるんだよ。それで誰かをサポートしたり、人のためになることがしたいなと。それがこの結果。企業のGOサインは出てる。けどそのための初代広告塔になってくれる人が決まってない」
「私炎上事件起こしてるし、クリーンなイメージのCMには使えませんてば」
「いや、完全に被害者だし、そこは説得する自信があるから大丈夫」
「はぁ……」
「できれば新曲もお願いしたい」
< 288 / 304 >

この作品をシェア

pagetop