完璧上司の裏の顔~コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される
 いつも部屋に籠っての演奏しか経験がない千紗は、皆の見ている前でできるか不安だった。だが、アイさんの歌に合わせて演奏するのは楽しそうだった。
オンライン上で一緒に演奏した時も、鳥肌が立つほど楽しい経験だったのを思い出したのだ。一人は気楽だが、誰かと一緒になにかやる楽しさみたいなのもあるのだと知った。

「私が合わせるから。前にコラボした時の曲でいい?」

 アイさんに促され、一曲だけ演奏することになった。千紗は緊張と期待で武者震いした。
 ──失敗しませんように。

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