完璧上司の裏の顔～コスプレ動画配信者、実はファンだった苦手な上司に熱烈溺愛される

　アイの意図するところをすぐに理解した井村は持ってきたビジネスバッグから、ちょうど今抱えている案件が入っているファイルを取り出した。
　最近器用していたモデルが不祥事を起こして、宙に浮いている化粧品ブランドの広告をどうするか悩んでいるところだった。
　若い女性ファンの多いアイはぴったりだ。上からGOサインが出る可能性は高い。

「失礼ですが、アイさんの登録者数は？」
「２００万人」
「素晴らしいですね。はっきりとは言えませんが、お仕事紹介できるよう頑張ります」

　井村はとりあえず名刺をアイに渡した。

「とりあえずまた連絡します」
「やったー！　千紗を落とすのに協力しましょう」