聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
でも、いつまでもこうして聞かずにいるわけにもいかないし…。
覚悟を決めて今度聞いてみようと思ったら、彩那ちゃんが真剣な顔のまま口を開いた。
「もしかしたら、もう連絡先知られてたりしてね」
あまりにも真剣な顔で言うから、思わず笑がこぼれた。
「ふふっ、いくらなんでもそれはないと思うよ?」
さすがの紫呉さんでも、さすがにそれはないよね?
「いやいや…翠の話を聞く限り、超過保護じゃん。ありえなく無いと思うけど」
…たしかに、紫呉さんは私の事を小学生か何かと勘違いしている節がある。
「……一応確認してみる」
「うん、してして」
ないとは思いつつ、スマホを取り出してメッセージアプリを開いた。
「うーん…ない、かな」
「そっかぁ、さすがにないか」
一通り見たけど、紫呉さんらしきものはなかった。