聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
ほっとしたような、ちょっと残念なような…変な気持ち。
やっぱり、頑張って聞くしかないかな…。
諦めてスマホをしまおうとした瞬間、手に振動が伝わった。
…………まさか、ね。
恐る恐る通知欄の名前を見て、絶句した。
「っ、!?」
声にならない声を上げる私を見て、彩那ちゃんがスマホを覗き込む。
「っはぁ!?な、なんで…!?」
私の言葉を代弁するように叫んだ彩那ちゃんも、顔を青くして驚いていた。
そう。
新たなトーク画面である名前欄に『紫呉』という文字がそこにはあった。
***
「…ほ、本当に来てるっ…」
「うわぁ…マジだ…」
今日も今日とて、校門周辺が騒がしいですね…。
紫呉さんからのメッセージがあって驚いた朝はとうに過ぎて、放課後となった。
『昨日と同じ場所にいます。焦らずゆっくり来てください』
そんなメッセージが送られてきていて、少し半信半疑だったけど…。