聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
そう言われてもう一度よく見渡すと、思ったよりも暴走族っぽい格好はしていないことに気がついた。
今まで私が見てきた暴走族たちよりも、礼儀正しそうに見える。
う…でも、やっぱり怖いものは怖いよ…。
一歩後ずさりしようとしたら、紫呉さんは私の手を握って口を開いた。
「…今日集まってもらったのは、いつもの近況報告をするためです…が。その前に一つだけ、言っておかなければならないことがあります」
この人たちに話しかけるように、そして私の肩を引き寄せて。
「こちらは春風翠さん。俺の彼女であり、Novaの“姫”です。くれぐれも、無礼な真似はしないように」
とても誇らしげに、私を紹介してくれた。
「ひ、姫……!?」
「その美少女が!?」
「あ、あの紫呉さんの姫…!!」
うおおー!と喜ぶ彼らは、何故かとても嬉しそう。
……えっと、歓迎してくれてる…のかな?