聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「遅かったっすね」
「今日はここで合ってますよね?」
「ってか、その女の子は…?」
10数人の男性たちが、寄ってたかって紫呉さんに近づいて話しかけてくる。
その隣にいる私に視線をやり、驚く人と困惑する人。
反応はそれぞれだけど、居心地がいいとは到底思えない。
し、知らない人ばっかり……。
当たり前のことなのに少し怖くなってしまって、紫呉さんの袖を無意識にぎゅっと掴んだ。
「…っ、一旦落ち着きなさい。翠が怖がっているでしょう?」
「す、すみません!」
「すぐ位置に着きます!」
す、すごい……。
紫呉さんの一声で、全員が床に行儀よく座った。
「…大丈夫ですよ。ここの奴らはNovaのメンバーですから、多少は信用性もあります」
そっと耳打ちされて、こくりと頷く。
そっか、この人たちがNovaの……。