聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
紫呉さんを伺っても、特に驚いた様子は見当たらない。
一体紫呉さんと仁さんは、どういう関係なんだろう…?
次々と疑問が浮かび上がってくる中、紫呉さんが困惑している私に説明してくれた。
「仁さんは『Nova』の初代総長なんですよ。だから俺はそれを継いだ…って言うのも嫌ですが、そんな感じです」
「俺がこいつを拾ったんだ。それが始まりで、『Nova』は紫呉が総長になる時に付けた新しい名前。あの頃の紫呉はマジで尖ってたっけなぁ…懐かしい」
「ちょっと、いらない情報を付け足さないでもらえます?」
「おーおー、すぐに楯突くところは今もご健在なようだな」
そう、だったんだ……。
全然知らなかった…って、それは当たり前なんだけど。
今もやいのやいのと言い合っている二人の間に、そんな関係があったなんて…と、かなり驚いしまう。
でも…紫呉さんがあからさまに仁さんへの態度を変えていているのに、ずっとさん付けで呼んでいるのは…。