聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「っ私、最低だ…」



蓮見先輩が最後に残したあとの言葉の意味。



それは、私が蓮見先輩に従わなかったら私の周りの人たちに危険が及ぶことを意味しているに違いない。



…そういえば、紫呉さんに電話をかけ直そうと思ってたんだっけ。



彩那ちゃんも、ずっと教室で待たせてしまっているのだろう。



でも、こんなボロボロの状態で会ったら心配かけちゃう…。



もう泣いてはいないし、そこまで酷い顔はしてない…と思いたいけど、鏡を見ないとどんなふうになっているのかわからない。



だけど、いつまでもここでこうして座り込んでるわけにもいかないから。



「…よし、行こう」



とりあえずトイレに行って目の確認をした後、彩那ちゃんに心配かけないようになんとか誤魔化して。



それから紫呉さんには後で連絡して、放課後は迎えに来ないように行っておかなきゃ。
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