聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「だってさぁ、今朝のアレやばかったよ?もうカップルのイチャイチャのそれだったじゃん」
「いっ、イチャ…!?してないよそんなこと…」
顔をブンブン横に振って精一杯「違う!」っていう意志を示しても、彩那ちゃんは止まってくれない。
「してたしてた、思いっきりしてたわ。…多分、紫呉さんは虫除けのためにやってたんだろうけどね。本人に全く伝わってないのはまぁ…仕方ないとして。実際どうなの?」
目をキラキラと輝かせ、興味津々と言わんばかりに詰め寄ってくる。
ちゃんと言おうとは思ってたけど…改めて報告するとなると、ちょっと恥ずかしいな。
でも、こんなことで緊張してても仕方がない。
ええいっ、もう言っちゃえ……!
「紫呉さんと付き合うことになった…と思う」
ぶわあっ、と頬に熱が集中するのが自分でもわかる。
その瞬間、横からガバッと力強く抱きしめられて。
「〜〜っおめでとう!!!」
「っわぁ…!?」
「も〜〜〜本っ当によかった…!!」
顔を見なくてもわかるくらいに、彩那ちゃんも心の底から喜んでくれた。