聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「えへへっ、ありが───」



それがとっても嬉しくて、はにかみながら腕を回そうとしたんだけど。



「だけど、“思う”ってなに?」



声のトーンがぐんと下がり、ちょっと怖さも感じてしまうほどの真顔で疑問をぶつけられた。



「付き合うことになったんだよね?」



「え……っと、」



め、目が怖いよ彩那ちゃん…!!



さっきまでとのテンションに差がありすぎて、風邪をひいてしまいそう。



「その…彼氏、とか…彼女…?なのかは、わからなくて…」



実の所、そういうのを確認していなかったから少し不安に感じていた。



「付き合ってください、とかは言われてないというか…。でもっ、好きって言ってくれたのは本当なの…!」



それでも、紫呉さんが私のことを想ってくれているのだということは、私にすら伝わってくる。



今さらそのやり取りをするのは、いかがなものか…。



あと、ちょっと照れくささがあるというのも本音。



だって紫呉さんがそういうのをしてる想像をすると、かっこよすぎてなんだかもう…おなかいっぱいになっちゃうの。
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