聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
後ろをチラリと見ると、いつの間にか囲まれていた。
ダメだ、囲まれてる…!!
まだ紫呉さんと斗真さんは中にいるのか、ここにやってくる気配はない。
「俺たちも学習能力が無いわけじゃないんだ。黙って逃げられると思うなよ?」
「お金ならあげます!!お願いだから、妹だけは逃がしてくださいっ…!!」
声を張り上げて叫んだけど、効果はなかった。
それは逆効果だったのか、男はニヤニヤと卑しく笑う。
「かわい子ちゃんのそういう顔たまんねぇなぁ?お兄さんたちとイイことして楽しもうぜ?」
リーダー格の男がそう言ってすぐ、他の男たちが一斉に飛び出してきた。
「っ、やめて…!!」
あーちゃんを守るように抱きしめて、固く目を瞑ったら。
「ぁがっ…!!?」
何かをくらったような声と、バタバタっと倒れる音が聞こえて目を開ける。