聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「お喋りが長すぎるんですよ、あんた達は」
鉄パイプを手にした紫呉さんが、腰に手を当てて吐き捨てるように呟いた。
「っ紫呉さん…!!!」
「怖い思いをさせてしまいましたね。遅くなってすみません。一気にやれるタイミングを見計らってました」
淡々と言う紫呉さんは、全く疲れを見せていない。
「ちょっとちょっと、俺の存在忘れてね?」
斗真さんの声に振り返ると、紫呉さんと同じ鉄パイプを肩にかけて笑っていた。
よかった…2人とも無事だったんだ…!
「紫呉、処理は俺がやっとくから翠ちゃんたちを送り届けてあげてよ」
2人が無事であることを確認してホッとしていたら、斗真さんが紫呉さんに向かってそう言った。
「それなら任せます。翠をこんな汚らしい場所にいさせたくない」
「そうそう、あとは任せといてよ?その代わりに明日なんか奢って」
「…はぁ、仕方ありませんね」