アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
 驚きつつ視線を上げたところで、コリンの視線(それ)とぶつかった。

 すると、彼は一瞬わたしの手のあたりを視線(それ)を向けると、ぷいとあらぬ方向へそれをそらしてしまった。

 まったくもう。

 少しは心配してくれないわけ?

 それでも夫なの? ではなかった。夫役なの?

 クレアに傷薬を塗ってもらい、引き続き彼女たちメイド役三人にお葬式に出席する為の恰好をさせられた。

 そうして、アッシュフィールド公爵家初の家族総出で出かけた。徒歩で。

 これが、わが家の初の社交の場のお目見えとなる。
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