飼い始めたイケメンがずっとくっついて離れてくれない。
 急いでレジに向かう彩人くんに手を振ってから、私はネックレスを撫でる。


 ……確かあの日、(しん)は人間に戻る手掛かりを探しに行ってたって言ってた。

 それでこのネックレスを見つけたのは靴の中でだって……

 ……変だ。

 だって私、ネックレスがないのに気づいたのは家に入る前、マンションの階段の途中だった。

 玄関でネックレスを落としたなら使ってない靴の中に入って気付かないのもわかるけど、外でなくしたのに靴の中で見つけるはずがない。


 ……もしかして(しん)はあの日、ネックレスを探しに……?



「……」


 私はネックレスを取って、手のひらにのせて眺める。

 太陽と、月。

 互いに欠けてはいけない、大切な存在の象徴。

 
『いつか凛に大切な人ができたら』


「……」


 私はおばあちゃんの声を思い出しながら、手のひらのそれをギュッと握って、大切に手の中に閉じ込めた。
 



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