【コミカライズ配信中】アデル~顔も名前も捨てた。すべては、私を破滅させた妹聖女を追い詰め、幸せをつかむため~
たまらず彼の手を握ると、シリウスは大丈夫というように口元をゆるめた。
「そんなとき、エスターに出会った。いつの間にか、俺に懐いて、後ろをついて回って。あんなの、好きにならない方が無理だろ」
「『大嫌いだ』って言ったじゃない」
「身分が違った。恋したって、叶うわけないだろう。だから自分の気持ちを認めたくなくて、わざと遠ざけようとした。……だが、今は違う」
シリウスはベンチから立ち上がると、私の前に恭しくひざまずいた。
「この先、どんなことがあっても、今度こそ俺が守り抜く。――どうか俺に、あなたを生涯守る栄誉をお与え下さい」
私の左手を取り、薬指にやわらかな口づけを落とす。
「結婚しよう、アデル」
真摯な言葉、ひたむきな眼差し、伝わってくる温もりと愛情。
注がれる沢山の愛に、心が震えた。
「そんなとき、エスターに出会った。いつの間にか、俺に懐いて、後ろをついて回って。あんなの、好きにならない方が無理だろ」
「『大嫌いだ』って言ったじゃない」
「身分が違った。恋したって、叶うわけないだろう。だから自分の気持ちを認めたくなくて、わざと遠ざけようとした。……だが、今は違う」
シリウスはベンチから立ち上がると、私の前に恭しくひざまずいた。
「この先、どんなことがあっても、今度こそ俺が守り抜く。――どうか俺に、あなたを生涯守る栄誉をお与え下さい」
私の左手を取り、薬指にやわらかな口づけを落とす。
「結婚しよう、アデル」
真摯な言葉、ひたむきな眼差し、伝わってくる温もりと愛情。
注がれる沢山の愛に、心が震えた。