同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「大和がこんなに早く帰ってくるとは思ってなかった。分かってたらすぐに課長に断ってた。寂しいのもあるの。いいたくないけど。だから課長のこと利用しようと思ったのかも知れない。人のこと言えないよ、最低だよね、私」
 
 「……紗良」
 
 「篠田さんはきっとこういう気持ちだったんだろうなって。それで大和にすがってたんだよね。私も大和が戻るのが遅かったら同じことしてたかも知れないと思うと……」
 
 泣きながら話す。
 周りは私達の様子が変なので、席を立っていなくなった。

 「ねえ、紗良。出よう」
 
 そう言うと、紀子は荷物を持って、里崎さんに合図して私と一緒に店を出た。

 課長と大和を見る余裕がなかった。
 泣いているところを見られたくなかったから。

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