同期恋愛は山あり谷あり溺愛あり
 
 「紗良。サトちゃんが、ちょっと待ってろってさ。田村も主賓だし、今日は難しいかも知れないけど、なんとかしてくれるから待っていよう」

 「紀子。いいよ、先に帰って」

 すると、紀子が怒った顔をしてにらみつける。
 
 「あのね、紗良。あんたを泣かせるまでして、放って帰れると思ってんの?あんた達は私達がそれでどういう気持ちになるか考えたことあるの?いい加減にしなさい。素直になりなさいよ。忘れられないし、好きなんだよね、田村のこと」
 
 「ごめんなさい」
 
 「あーもう。何で謝るのよ。誰に謝ってんの?謝るなら課長を振ってから謝りなさいよ」
 
 「紀子、言ってなかったことがもうひとつある」
 
 「やめて、今度は何なの?」
 
 「ここだけの話にしてね。実は転籍を打診されてる」
 
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