彼は溺愛モンスター

再会

月日は経ち、私は17歳––––つまり、高校二年生になった。
今日も元気に学校へ通います。

「イヨちーん! やばいよぉおっ!!!」

ドォーンと背中にダイブしてくるのは、高校でできた親友のサチカだ。

「痛いよ、サチカ。で、なにがやばいの?」

やばいっていろんな意味がありすぎて……やばい。

「うちのクラスに、転校生来るんだって!!」

て、てんこうせい???
え、こんな中途半端な時期に?

「で、なにがやばいのー?」

「その転校生が、イケメンらしいの! 私、絶対ゲットしてやるわ」

サチカは、年中彼氏募集中だもんね。

「どうやってゲットすんの?」

私の質問にサチカは、むふっと笑う。
そして小首を傾げた。

「学校のこと、まだよくわからないよね。サチカが教えてあげる! おいで♡」

「おぉ〜。かわいい、かわいい」

サチカはもとがかわいいからなぁ。私にはできないや。

私たちは『転校生ゲット作戦』を立てながら、先生が来るのを待った。
そして、先生が来た。

「はいはーい、座ってー」

みんながパラパラと席に着く。

「今日は転校生が来ます。入って」

最初に見えたのは、くりくりのくせっ毛。猫みたいに、もふもふしている髪の毛。

そして、次に目にとまったのは、瞳。
ぱっちりしていて大きな瞳は、綺麗に輝いている。

ピンク色で小綺麗なくちびるや頬も、女の子のように可愛い。

私はふと、あれ?って思う。
だって、この特徴、まるで––––、

「はじめまして。佐藤楓です」

やっぱり!! 楓くんだ!

可愛くて高い声は、すっかり変わっていて低いかっこいい声になっていた。

楓くんは、キョロキョロ周りを見渡して––––、私を見つける。
そして、にこっと可愛すぎる笑みを浮かべた。

バッキュン!!

クラスの女子のハートを射抜いた笑みだった。

楓くん、おそるべし。

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