The Tricks Played by Destiny
暖炉の前に座り、さっきのくまっぽい毛皮を膝に掛ける。


バチバチと爆ぜる音を聞きながら、レオはあたしに話を促す。


ふと思い当たる。もしかしたら、これは審査みたいなのかも知れない。
この世界に入れるかどうかの。



「あたしは、リズ。川の向こうからきた、人間。向こうでは生きづらいから……、ここに行けば、って思ったから」



そうだ。
あちらはあたしには酷く生きづらい世界だった。

あたしはあたしでしかない。
にも関わらず、人は世界は枠に嵌めたがる。嵌まらない異物を排除するように、あたしを排除しようとした。
生きてこられたのは、この……。


またもや暗く重たい過去に引きづり込まれそうになった。
断ち切りたいと願ったはずだ。
もう2度と触れないように。



「なら、死ねよ」
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