The Tricks Played by Destiny
「確かに、俺らにとって人間は上等な獲物だ。だからといって取って喰おうとは思わない。人間なしでも生きてこれたのに、わざわざ獣に戻る必要はない。だいたい、人間を恨んでる俺達が人間の姿なんかとるはずもない」



そう、なのかな。
言われてみればそうなのかもしれない。

あまり納得はしてないけれど、もしかしたらジークらとあたしたちとでは思考過程が違うのかも知れないから、曖昧にしておいた。



その言葉の通り、ジークはどこから見ても人間の姿をしている。

一見しただけでは人間と変わりないくらいに。
けれど、ここに住んでいるのだから、人間ではない。

ただ、人とは違うとあたしは思う。……匂いがする。



「ジークは、なんの……」



化け物なの?とはさすがに聞けない。
言葉に詰まったあたしを見て、ジークは無表情のまま言葉を紡ぐ。
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