The Tricks Played by Destiny
動けないにも関わらず、後退りしたくなる。奴から離れたい、ともがいている。

それでも椅子ごと床に倒れないのは、椅子は床に縫い付けられているから。
鋼鉄で作られた椅子は床と一体化している。
ある用途にしか使われない。

専用の部屋。



「そんな態度を取るならば、扱いを考え直してやらねばならん。……もっとお前に相応しい、」



ニターと嫌らしい笑みを浮かべる奴に、あたしは言いようのない恐怖を覚える。



「お前の母親のように」



母さんを侮辱するな、と恐怖を凌駕する。

無我夢中に身体を動かす、と。
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