The Tricks Played by Destiny
「新たな門出にはもってこいの天気だな。リズ、お前は何処に向かう。ここで、何をする」

「あたしは、……」



こっちで、何をしたいんだろう。
ただあちらから逃げたかったから、当てもなくこちらにきたけれど。

今、改めてそう問われるとすぐには答えられない。


じっと、見つめてくる瞳から逃れるように、俯いて、言葉を探す。
ほんの小さな思考の欠片でさえも見逃さないように、頭の隅々まで働かせる。

あたしは何をしたいのだろう。


何がしたいか、と問われればすぐに答えは見付かる。
しかし、それはもうあちらに捨ててきたものだから。


首を振ってわからない、と零した。
ぱたりと耳を振って、レオは呆れた様子を見せた。



「わからない、とは。お前のことだろ。思ったままを言えばいいんじゃないのか」
< 55 / 60 >

この作品をシェア

pagetop