The Tricks Played by Destiny
ジークの残したマントを被り、あちらでも良く見かけた旅装束に整えるとレオは下からあたしの顔を覗きこんで再度念を押した。



「後悔はしないか」

「しない」

「なら、――――俺も連れてけ」



何を言われるのだろうかと身構えたのに、独特の空気わ震わす声は面白がるような口調で言い出した。
はっ、と目を合わせるも面白がる様子は読み取れるが冗談は一切読み取ることができない。



「ほ、本気で言ってる?」

「教えるよりも早いだろ。というよりも、俺はもともとそのつもりだった」



ちょっと気になることがあるんだよ、ぼけぇ。
小さく、乱暴に付け加えられた言葉に、少し涙腺が緩む。

照れている。
レオはぶっきらぼうに言ってるけど。


母さんが死んでから、初めてかもしれない。

人の優しさに触れるのは。
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