オタクが転生した結果
2年後、クリスティーヌとテオドリックの結婚式が執り行われていた。

舞踏会の日をきっかけに、クリスティーヌのファンが激増しており、今日も多くの人達が二人を祝福する為に集まっていたが、マルゲリット達の最前管理に抜かりはない。

マ「涙で前が見えなくなったら死んでしまうから絶対に泣かない」

マルゲリットの顔は既に涙でぐちゃぐちゃだ。精神年齢的に更年期を迎えている彼女は、感情の起伏が激し過ぎて、涙腺管理がまるでできていない。

エ・ジ「「推しが幸せなら私も幸せ、推しの幸せは私の幸せ、、」」

一方エメリーヌとジゼルは、お経のようにこの言葉を繰り返していた。

晴れて王太子妃殿下となったクリスティーヌは王宮入りしてしまう為、これまでのように気軽に会う事ができなくなってしまうのだ。

マルゲリットは時期宰相と名高い貴族令息との婚約を決め『王に近い人物の妻として妃殿下のそばに侍る計画』を着々と進行中である。

エ「こうなると、クロエの専属メイドポジって、断然勝ち組だわね」

ジ「実は私、第二王子の婚約者候補になれるよう、お父様にお願いしてるんだよねー」

エ「え?何それ、ずるくない?」

ジ「エメリーヌ様は王子より年が上だしねー。でも私も身分的に厳しいらしい」

エ「私もマルゲリット様みたく『王に近い人物の妻ポジ』狙おうかしら、、誰が残ってる?近衛の隊長とか?」

ジ「え?近衛の隊長って30越えてない?」

エ「それもまた良き、よ?しかも早々に結婚して子供を産めば、乳母ポジ狙えちゃうかも?」

ジ「いいなそれ!でも第二王子いけたら義姉妹だよ?諦めがつかん、、」

エ「確かにそれは悩ましい」

ジ「まあ王子ルート失敗したら王宮侍女になって妃殿下付きを目指すのも、ありよりのありだなって」

エ「あーその手もあったかー!悩むー!」

マ「ちょっと!クリスティーヌ様の登場よ!余所見してると、いいとこ見逃すわよ!?」

真っ白なウェディングドレスに身を包んだクリスティーヌの登場に、その場にいた誰もが息を呑んだ。彼女は最早、女神である。地上に女神が降臨したのである。

マ・エ・ジ「「「キャーーー!クリスティーヌ様ーーー!こっち向いてーーー!」」」

彼女達の推し活はまだまだ続く。

むしろ、これからが本番なのだ。
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