PTSD
第二章 告白
 「娘は当然大好きです。
  とても気のつく優しい
  よい子です。

  ただ抱きしめたいと。
  思った時こそ、その手を。

  退いてしまうんです。
  あの、

  戦場での、
  自分で説明しようがない、
  体験

  一瞬、記憶の飛んだ。

  あれから恐くなるんです!
  本当は父親を失って、倍。
  抱きしめてやらなくゃ
  なのにっ!!」


 夜。
寝室でベッドに横たわり、
ローズは
昼間カウンセラーに話した
自分の話を、思いだしていた。

傍らではメリーアンが
日課である子守唄で、自分を寝かしつけようと、
してくれている。


♪OH〜♪baby
 涙ためて
 じぶんの 魅力
 わかってないんダロ?♪


 (まるで、逆さまじゃない。)


 カウンセラーは、

余り気にするナ。

と慰め。

考えすぎるな
肩の力を抜いて。

とも言った。


メリーアンは
本当に陽気で
諸々の問題のすべてを常に
ハミングで洗い流してくれるよう。


 問題は、私自身。

こうして
傍らのメリーアンの子守唄がなければ、
必ず

悪夢にうなされ飛び起きてしまう自分。


必要な。

たったクリニックへでも、
メリーアンの付き添いがなければ、
街中へも行かれなくなってしまった


今の私!
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