堕落シンデレラは秘密に同居する。👠
「ここで待ってるから」
図書室の前に着くと、蓮翔が言った。
「うんっ」
詩朗くんがガラッ、と図書室の扉を開けると、わたしは中に入る。
うわああっ。
本がいっぱいだあああっ。
詩朗くんも中に入ると、図書室の扉を閉める。
「羽希ちゃん、こっち来て」
詩朗くんが歩き始めると、わたしは詩朗くんに着いて行く。
「ここ、僕の特等席なんだ」
詩朗くんは窓際の一番奥の席の前で言う。
「そうなの?」
「うん。ここ、夕日すごく綺麗に見えてさ、最高なんだよ」
「へぇっ」
「羽希ちゃん、特等席に座っていいよ」
「え、でもっ」
「いいからっ」
「うっうんっ」
わたしは特等席に座り、窓から外を見る。
「わぁっ! 夕日、綺麗っ!!」
わたしがそう言うと、詩朗くんはわたしの隣に座る。
そして、鞄から紙袋を取り出す。
「羽希ちゃん」
「ん?」
「これ、プレゼント」