堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

「え?」

 わたしは詩朗くんから紙袋を受け取る。

「中見てみて」

「うんっ」

 紙袋の中を見ると、本が入っていた。
 わたしは本を取り出してみる。

「これ、アイヒメの小説!?」

「うん」

「なんでっ…………」

「蓮翔から聞いてたからね」
「人気小説家目指してるんだろ?」

「えっ……」

 蓮翔、詩朗くんに小説家目指してるの話してたんだ……。

 口軽いな。
 蓮翔の奴、どこまで話してるんだろ?

 なんか、もやっとする……まぁいいや。

「僕も実は小説家目指してるんだ」

「そうなの?」

「うん、だから応援したくてさ」

 応援っ…………? 

 わたしの両目が潤む。

「羽希ちゃんっ!?」

 やばいっ……。
 同級生にこんな真っ直ぐ応援されたの、初めてで……。

 なんか、ぐっときてしまった……。

「ありがとう、すごく嬉しいっ……」

 わたしがそう言うと、突然、詩朗くんがぎゅっとわたしを抱き締める。

「――――!?」

 わたしは驚いて両目をぱちくりする。

「し、詩朗くん!? な、何っ……」


「羽希、好きだよ」

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