堕落シンデレラは秘密に同居する。👠


 そして、その夜。

「お前って俺と同クラだったんだな」
 蓮翔は冷蔵庫に食材を入れながら言った。

「え、同クラ?」 
 わたしはノートパソコンのキーボードで文字を打ちながら聞き返す。

「俺、1年1組なんだけど」
「お前の席、俺の後ろだったわ」

 へー、そうなんだ……。

「そういえば、コンビニのバイトの面接、どうだったの?」

「一発合格」

「おおっ」

「さてとっ」

 ぱたん。
 蓮翔は冷蔵庫の扉を閉める。

「お前の読まれない小説でも読むか」

「よ、読まなくていいっ」

「自信、ないんだ?」 

 は、はぁ~~~~!?!?

「あ、あるしっ!!」

「じゃあ早く退()けっ」

 わたしはノーパソの前から退()く。
 蓮翔はその前に座り、
 ワードの画面に表示されている小説『うさぎ系男子にウハウハ!』を読み始める。

 (りある)の人間に小説見せたことないから、緊張するっ。

 ドキドキ。
 ドキドキ。

「読んだぞ」 

 は、早っ!!

「て、適当に読んだんじゃないでしょうね?」

「こんなの、ナナメ読みすれば早く読めるわ」

 なんか、ムカツクッ。

「ど、ど~だった?」


「お前は、天才だ」

< 40 / 256 >

この作品をシェア

pagetop