堕落シンデレラは秘密に同居する。👠
はいっ!?
「なんでそ~なるの?」
「弁当、今日の昼でなくなるし」
「食材買ってこなきゃだめだろ? だから」
「遊ぶお金が欲しいだけじゃないの?」
「違うし」
「今日借りた金、バイト代出た時返すから。な?」
むぅ。
こういうこと言う奴に限って、返さないんだよね。
「俺の愛情たっぷりの飯、毎日、腹いっぱい食わせてやるから」
お前の腐った愛などいらぬわ。
でも……美味しいご飯は食べたぁ~~い。
「わ、分かった」
わたしは白い鞄の中から財布を取り出し、
2000円を抜き取り、蓮翔に手渡す。
「ありがと」
「じゃ、そろそろ高校行くわ」
蓮翔は立ち上がる。
「一応聞くけど、お前、高校は?」
「高校行く暇なんてない」
「わたしはシンデレラ小説家だから」
「自称な」
むぅ。
蓮翔はぽんっとわたしの頭を叩く。
「お前の読まれない小説、用意しとけよ。読むから」
「読まなくていいっ」
「それから俺の作った弁当、ちゃんと食えよ」
「うん」
「じゃ、行ってくるわ」
蓮翔は一か月分のゴミ袋を持って、部屋を出て行った。