堕落シンデレラは秘密に同居する。👠


「朝から一段と粉被りに磨きがかかってるな」
 翌日。やつれたわたしに向かって、制服姿の蓮翔がさらりと言った。

 左右の目の下には、くっきりとクマが出来ている。

「読書疲れの読まれない作家とか、ウケるわ」
 蓮翔は、お皿に盛り付けられたハムとにんじんのリゾットをスプーンで食べながら言う。

「う、うるさいっ」

「作ってやったんだから、冷めない内にさっさと食べろよ」

 何が作ってやった、だよっ!! 
 ムカツクッ。

「頂きまぁすっ」

 わたしは蓮翔にムカツキながらもわたしはスプーンを右手に持ち、ハムとにんじんのリゾットを食べる。

 わたしの顔が、ぱああっと明るくなる。

 はあああああっ。
 おいひいいいいいいいいっ。
 生き返るぅ~~。

 わたしはハムとにんじんのリゾットをスプーンですくい、どんどん食べていく。

「んんっ! おいひ~!」
「蓮翔の作る料理は天下一品だねっ! 」

 わたしは幸せいっぱいに笑う。

「そのキモ顔、やめろ」 

 キ、キモ顔だとぅ!? 

「褒めて損したっ!!」

「てか粉被り」

「何?」 
 わたしは怒り口調で聞き返す。

「ご飯粒、頬についてる」
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