堕落シンデレラは秘密に同居する。👠

「う~~ん」

「ヤベェッ!」
「もうこんな時間っ! 遅刻する!」

 蓮翔は立ち上がると、わたしの後ろにしゃがみ、
 櫛でササッと髪を()き、
 きゅっ、きゅっ、とゴムで私の髪を2つ結びにする。

「よし、出来たっ」

 蓮翔は鞄を右肩にかけ、立ち上がる。

「おい、行くぞ」

「休む……」

「何言ってんだよ!」
「ほらぁ、行くぞ!」

 わたしに鞄を持たせると、
 わたしの首の後ろからブレザーの襟をぐっと左手で掴み上げ、
 わたしを引きずりながら部屋を出る。

 ズズズズ、とわたしの鞄と両足が引きずられた音が廊下に響く。

「休む!」

「離して!」

「いやぁ!」

 わたしの叫びを無視して蓮翔は革靴を履き、
 ローファーを半分履いたわたしを引きずりながら部屋を出た。
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