私のボディーガード君
「若林さんは関係ないよ。ただ、三田村君の負担になっている気がして」

三田村君の目を見られなかった。
俯いてベッドの端に置かれたままの三田村君の大きな手を見た。

長くて綺麗な指だった。
その指に触れたいと思った瞬間、心臓に電流が走ったようにビリッとした。
急に三田村君と同じ空間にいる事が息苦しくなる。

ドキドキしていると、大きな手が動いて私の手をギュッと握った。

「負担になっていませんよ。むしろ離れている時の方が心配で負担になります」

心配そうな低い声が響いた。

「妃奈子さんと離れていた三日間、心配で堪らなかった」

眉を顰めてこっちを見る表情は真剣で、本当に心配していた事が伝わってくる。

「一番怖い事は何かあった時に《《俺》》が妃奈子さんの傍にいない事です」

力強く口にした「俺」という言い方が男らしくて、また胸を大きく揺らす。

「三田村君……」

こっちを真っすぐに見る黒い瞳を見た時、三田村君に触れたくなる。

唇が触れそうになる距離まで三田村君に顔を近づけると、目の前にある整った薄い唇が戸惑ったように動いた。

「妃奈子さん?」

温い吐息を吐き出して、私を呼ぶ声が胸を突く。

いろんな思考が吹き飛んで、唐突に三田村君にキスしたくなった。

「キスしてもいい?」
「えっ……」
驚いた言葉の先を唇で塞いで飲み込んだ。
三田村君の唇はしっとりとした柔らかな唇だった。
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