私のボディーガード君
起きた瞬間、頭痛に襲われる。

昨夜は飲みすぎた……。

パジャマのまま1階に降りて行くと、ダイニングから卵の甘い匂いがする。

紺色のエプロン姿の三田村君が朝陽が射す明るいキッチンで、フライパンを持ってきびきびと料理している。

朝からよく働くな……。

エプロンの下はワイシャツ、ネクタイ、スラックス姿で今日も凛々しい。

「妃奈子さん、おはようございます」
「三田村君、おはよう。頭痛薬ある? なんか頭痛くて」
「二日酔いですね。昨夜はかなり酔った様子でしたから」
三田村君が食器棚の引き出しから頭痛薬を出してくれた。

「大人は二錠ですよ」
子どもに言うような言い方がひっかかる。

「うん。ありがとう」
三田村君がくれたミネラルウォーターで頭痛薬を二錠飲んだ。

「朝食はフレンチトーストを用意しましたが、食べられますか?」

フレンチトーストと聞いてお腹が鳴った。

三田村君が「お腹はすいているようですね」と言って、私の頭をごく自然に二度撫でた。

いきなりのスキンシップに心臓が跳ね上がる。
三田村君に頭を撫でられたのは初めて。

「すぐできますよ。いい子で座って待っていて下さい」
瞬きをして三田村君を見ていたら、また子ども扱いをされたような……。

もしかして、昨夜、何かやらかした?
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