私のボディーガード君
目が合うと、三田村君が切なそうに微笑んだ。

「俺だって忠犬じゃいられなくなる時があるんです。俺がどれだけ我慢しているか知っていますか?」

我慢している?

何を?

「妃奈子さんは意地悪な人だ」

三田村君の表情がだんだん深刻なものに変わっていく。

もしかして、さっきのキスが嫌だった?

「三田村君、ごめん。そんなに嫌だった? もう二度としないから許して」
「何の事です?」
「だから、その、さっきの……キス」
「二度としないのは嫌です」
「えっ」

端正な顔が近づいて来て、今度は私の言葉を三田村君の唇が吸い取った。

夢を見ているみたい。

三田村君がくれるキスは甘くて、切なくて、気持ちいい。
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