私のボディーガード君
「エッチの事聞かれて学生に何て答えたのよ?」

 早坂友美(はやさかともみ)がニヤッとした笑みを浮かべる。
 今は昼休みで、私の研究室に友美がコーヒーとサンドウィッチのデリバリーに来てくれた所だ。

 友美は女子大の近くで旦那さんとカフェを営んでいて、デリバリーに来た時は他の人には言えない話をいつも聞いてくれる。

「男性に身を任せて、精一杯感じてあげる事が男性も気持ちよくなる事なのよ……って答えた」

 以前、そのような事を友美が言っていたので参考にさせてもらった。
 ああ、口にするだけで頬が熱くなる。この手の話は苦手。

「ほおー。上手く誤魔化したわね。みんな納得した?」
「多分。頷いていたし」
「ひなも大変ね。恋愛のカリスマなんて呼ばれて。カリスマ所か男性アレルギーで、手も握れないのにね」

 友美の言葉が嫌味に聞える。
 友美とは中学からの付き合いで、私をよく知っている。
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